AIは作家に代わって文章を書けるのか?

AIが様々なことをやってくれるようになりました。
中でもよく耳にしますのが「AIに文章を書かせる」というものです。
しかしこれは、AIが作家に取って代わることを意味しているのでしょうか?
事はそう単純に言えないようです。
カメラという便利な道具が登場しましたが、それは画家に取って代わるものではありませんでした。
冷凍食品やインスタント食品が登場しましたが、これもシェフに取って代わるものではありませんでした。
むしろ、現在でもデッサン教室が存在し、お料理番組が人気です。
便利な手段を用いずにいるのは、そこに人々がクリエイティビティを求めているからでしょう。
なるほど、そうなるとAIを用いずに文章を書く人は、そこに楽しみを感じている人々なのだと考えられます。
そして、AIを用いる人は文章を書くことを苦手としている人なのだと推測できます。
かく言う私自身もAIを用いずに文章を書いています。
書きたい欲求が内発的に出て来るからです。
しかしながら、私もAIに文章を書かせたことがあるのですが、手助けのツールとして用いた経験がありません。
おもちゃ代わりに利用したことしかありません。
例えば「アメリカ大統領が記者会見中に、カツラであることが露見してしまう短編を創作してくれ」という非現実的な場面の指示を出しても、AIは難なく書いてくれます。
しかし、私は結果に満足ができません。創作してくれた短編は条件を満たしているのですが。
私の感性と合致しておらず「私なら、こう書きたい」と思うことが多々あるのです。
そうして、結局は1から自分で書き上げることしかないのです。
いやしかし、こういったことは料理にも見られることでしょう。
簡便なスープの素が市販されていますが、それでは求めている味を追求できないと、1からダシを取る人がいます。
私の場合は、これと同じなのです。
これらから考えるに、AIとは簡便手段の提供なのであって、オーダーメイドやクリエイティビティの代用にはなりえないと結論づけられます。
ゆえに、AIが作家に代われるのかは、私は懐疑的に見ています。