ゆりこ VS さなえ



<前回までのあらすじ>

暗く目立たない性格で、経済力も無く、女性からまるでモテない弱者男性。
そんな男性は、チーズ牛丼を食べると体内で女性にとって有害な成分を自然生成する。
(*あくまでもフィクションです)

そんな特性に気がついた弱者男性の当事者である、勉座 黄治郎(べんざ きいじろう)は、チーズ牛丼を食べてバイオテロを引き起こしていた。

しかし名探偵によって捕獲され、今は拘置所に居る。


<面会>

黄治郎は鉄格子のなかで、うめき声をあげていた。
「あぁ... 食べさせてくれ... チーズ牛丼を...」
彼はかれこれ2週間、チーズ牛丼を強制的に断たされている。

するとそこに、屈強な男性警備員をともなって、ある女がやって来た。
しかし、ガスマスクを装着していて顔が見えにくい。
「この男ね。2週間経ったから、有毒性はないかしら?」
「計算上ですと、そのはずでして...」
すると、女は激怒した。
「そのはず?おい!この前、匿名流動型の犯罪で逮捕した女を連れて来い!」
「はい、わかりました。」

10分すると、泣き叫ぶ女が無理やり連れて来られて来た。
「やだー!やだー!弱者男性の出す有毒ガスにされされたくない!」
泣き叫ぶ女はガスマスクを付けていない。
そして、黄治郎のいる鉄格子に強制的に投げ込まれた。
「ああぁぁ.... 私はお終いだわ... 弱者男性の隣に連れて来られて...」

その様子を、ガスマスクの女は冷静に見ていた。
「ほほう、女は気絶すること無いわね。ずっと元気に泣いているわ。
有毒性は消えたようね。実験終了よ。」
そう言うと、女はガスマスクを外した。
その女は、ゆりこ知事だった。


<取引>

黄治郎は別室に連れていかれ、ゆりこ知事と面談が始まった。
「黄治郎、判決はどうなると予想している?」
「懲役15年くらいかと...」
「甘いわ!死刑よ!」
「なんと...!」
黄治郎は青ざめた。
ガクガクと震えだし、気が動転している。

その様子に、ゆりこは不敵な笑みを浮かべながら、こう言った。
「取引する気はある?それ次第で、釈放もできるのよ。」


<策略>

ゆりこが持ちかけた取引は次の通りだ。

政界のドン・さなえは絶大なる権力を有している。
ゆりこは、なんとかして、さなえが居る地位を手に入れたい。

そこで、黄治郎がチーズ牛丼を食して有害な成分を発した状態で、さなえに接近し、さなえを植物状態にさせたい。
その間に、ゆりこが代理となり、そして権力を握りたいとの策略だ。

今度の土曜に、さなえはホテルに行くらしい。
上質のスーツの用意を指示していたので、ホテルのホールに行くのだろう。
この日の予定の公表が無いので、プライベートの用件と思われる。
黄治郎はホテルの執事に扮して、さなえに接近する。
こういう筋書きだ。


<決行>

黄治郎は、タキシードに身を包み、ホテルの裏口から侵入に成功。
そして、潜ませておいたチーズ牛丼を食す。
「よし!やるぞ!」
そして、一目散にホールを目指す。

警備があちこちにいたのだが、タキシード姿なので、全く怪しまれることが無い。
ドアを開け、静かにホールに入ると、いた!
さなえの姿だ!

「よし!」
と黄治郎が気合をいれた時、黄治郎はステージで結婚式が行われていることに気がついた。
さなえは、甥っ子の結婚式に出席していたのである。
「あああああああ!!!!!!!」
黄治郎、あろうことか弱者男性の最大の敵である、幸せカップルを目撃してしまった。

気が動転した黄治郎。
そして、天敵たる幸せカップルの、あまりの幸せぶりに強烈な吐き気を覚え、さきほど食したチーズ牛丼を全て口から(ピー)してしまったのである!

こうして、有害な成分の発生は止まり、計画は失敗。
黄治郎は裁判なしで、地下1000mに埋められることになったのであった。


<次回予告>
地底に埋められた黄治郎は3年間、静かな時間を過ごしていた。
しかし!突如として地球に、火星人・金星人・木星人・土星人...と、ありとあらゆる宇宙人が出没し、地球を攻撃し始めた!!
地球はどうなる?黄治郎が救うのか?それとも、宇宙人に迎合するのか?
乞うご期待!

編集注:続編なんか無いと思います。
また、この作品はフィクションのはずです。
どうしても気になる方は、ゆりこ、あるいはさなえ本人までに確認してください。]