ゆりこの悦楽

男子Rの元に、女子AからLINEが来た。
「遅い時間帯に申し訳ありません...
Rさんは経済的に余裕はありますか?」
どう考えても、女子Aらしくない文面だ。
もともと彼女は生真面目で、おとなしい。
そんな彼女が、お金の話をしてくるだなんて...
ただごとではないと感じた男子Rは
「何かあったのですか?困っているのですか?」
と親切に応じた。
女子Aは
「ごめんなさい。先ほどのメッセージは忘れてください。」
と、慌ててキャンセルのメッセージを送ってきた。
しかし男子Rは取り合わなかった。
「Aさん、会って話しませんか?」
翌日、近くの公園で待ち合わせ。
ベンチに腰掛けると、女子Aは神妙な面持ちで
「実は、200万円が必要でして。
でも、こんな巨額を人様に頼み込むだなんて悪いことですよね。」
男子Rは驚愕した。
そんな大金を必要としているだなんて!
「Rさん、ごめんなさい。本当にごめんなさい。
こんな話を人様にするだなんて、私が間違っていました。
ごめんなさい。」
女子Aは、そそくさと去ろうとするので、男子Rは
「ハハハ!それぽっちの金額、私が工面してあげるよ!」
と豪語したのであった。
「え...?本気ですか?」
「俺が今までにAさんに虚偽を申したことがある?」
「ないです。でも...」
「気にしないで。すぐに工面するよ。」
こう申したものの、実は男子Rには宛てが無かった。
女子Aを気づかって、嘘も方便と出まかせを言ってしまったのだ。
「どうしようか。
半額の100万だけでも工面できないか?」
と、早くも焦り始める。
「バイト 稼げる 即金」
男子Rは、このキーワードで検索をしてみたところ、1件の求人に目が留まった。
「年下の男性募集。ゆりこ知事の相手。高額保証。」
男子Rは、怪しいと思いながらも無我夢中で応募をしていた。
応募の返答は早かった。
「年齢は?ゆりこ知事より年下?明日の午後2時に来れる?」
男子Rは不安感を抱えながらも
「全て条件が合います!」
と即答していた。
そして翌日、向かったのは新宿のとある超高層ビル。
具体的に言うと、地下3階+地上48階のビル。
更に言うと、ビルの建築者は丹下健三。
そして、ビルの具体的な名称は... 控えておきます。
男子Rは受け付けに訪問目的を告げると、7階に通された。
「きみ、タキシードに着替えなさい。」
秘書らしき人物より促され、更に白い手袋も着用する。
「用意できたね、ではあのドアをノックしなさい。」
ノックをすると、中から女の声がした。
「お入りなさい。」
そこにいたのは、バ〇ア...ではなくて、ゆりこ知事であった!
「あら、お名前は?」
「はい、私はRと申します!」
「はい、私はRと申します!」
「ふふふ、好みのタイプね。」
「ありがとうございます。」
「今日は、私に尽くしてくれる?」
「もちろんです!」
「あらぁ、いい子ね。お手当は1時間で100万円でどうかしら!」
「ありがとうございます!頑張ります!」
男子Rは、早速ゆりこ知事の肩もみを始めた。
「ゆりこ様、いかがですか?」
「あぁん。気持ちいいわん。」
「ありがとうございます。」
男子Rはマッサージが得意であり、知識が豊富であった。
「いいわ、この子。もっとしてぇ!」
「はい、かしこまりました!」
ゆりこは長椅子に横たわると、腰つぼマッサージをしてもらい始めた。
「あぁ、最高よ。」
「ありがとうございます。」
しかし、ここから危険な展開が始まった。
「ねぇ、Rくん。私と打ち合わせをしない?」
「何をです?」
「橋前市の市長さんみたいに、打ち合わせよ。」
男子Rには、ピンと来た。
先日の報道で馬だら県橋前市の女性市長が、打ち合わせと称して、日替わりで既婚男性と宿泊施設に行っていることが問題視されていたのだ。
まずい、そだけは避けねば。
「ゆりこ様、橋前市の報道ですが、まだ加熱しております。ここは安全運転に終始してはいかがですか?」
「ええ、でもRくんタイプよ。」
「ゆりこ様、高くつきますよ。」
「そぉ?残念だわ。」
「ゆりこ様、代わりに足つぼマッサージはいかがですか?」
「あらぁ、そうして。」
「では、お履き物を...」
男子Rは、ゆりこの真っ赤なヒールを脱がせた。
すると!
「うっ...!!」
男子Rは絶句した。
ゆりこの両足は、人類史上最大の水虫を患っていたのだった。
男子Rはたじろいだ。
「う...うぇぇ...」
しかし、200万円のためだ、ガマンだ!
「ではマッサージいたします!」
「あぁーん!気持ちいぃーん!」
ゆりこは悦楽に満たされ、歓喜の声を上げる。
こうして、方や至福の2時間、方や地獄の2時間が過ぎた。
「ありがとう、ではお手当の200万円ね。」
そう言うと、ゆりこ知事は住民税と書かれた金庫を開けて、200万円を手渡した。
男子Rは
「あの、このお金の出所は?」
「いいの、いいの。私の懐がいたまないか心配しているの?痛くもかゆくもないから大丈夫よ。」
かなり疑問を抱きながらも、男子Rは200万円を受け取り、ビルを後にした。
早速、女子AにLINEする。
「Aさん、お金の工面ができましたよ。」
とメッセージを送りたいのだが、手が震えて上手く打てない。
あの拷問の時間を過ごした後。平常心でいるのは困難なことだ。
やっとの思いで送ると、女子Aから
「ありがとうございます。助かります。感謝しております。
あの、良かったら牛丼屋さんでチー牛(チーズ牛丼)を無料で食べれるクーポンコードを送ります。
是非お使いください。」
と来た。

(実際に新宿でチー牛を食べる様子)
男子Rはチー牛を食べながら
「拷問の時間が終わった。
そして、女子Aの役に立てる。」
と、自分で自分をねぎらったのであった。
翌日、男子Rは女子Aに200万円を手渡した。
「わぁ...200万円...」
女子Aは泣きだしたのであった。
この瞬間、男子Rはこの上ない歓喜の気持ちに包まれたのであった。
「あ...あ...ありが...とう...ござい...ます...」
女子Aは涙腺崩壊。
「Aさん、このお金を必要なことに役立ててください。」
女子Aが落ち着いてきたところで、男子Rは聞いてみた。
「ところで、Aさんは200万円を何につかうのですか?」
すると、女子Aの回答はこうだった。
「Rさんは、私が絵を描くのをご存じですよね?
今度、ゆりこ知事にヌードモデルになってもらい、絵を描くのです。
モデル料として2時間200万円を支払うのです。」
それを聞いた瞬間、男子Rは気絶したのであった。
*本記事は、全てフィクションです。